小西真奈美 I miss you

2017.9.23(SAT)0:00〜 配信限定 Release

Indies Debut EP

I miss you

前回、KREVAの楽曲「トランキライザー」をカバー配信してから1年4ヶ月。
今回は本人が創り溜めていた、貴重なオリジナルソング3曲+ボーナストラックを、配信限定リリース!
「ラップ」のイメージを覆す、アーティスト「小西真奈美」としての世界観が存分に詰まった作品になりました。
作詞作曲は全て小西真奈美、 サウンドプロデュースはKREVA。
さらに、アルバム購入の方へ 小西真奈美セルフプロデュース Digital Photo Book をプレゼント!

〈収録曲〉

  • 1. I miss you
  • 2. This is love
  • 3. 冷たくしないで
  • 4. No ※アルバム購入者のみ
  • Digital Photo Bookプレゼント ※全曲購入者特典

《作品へのコメントを
いただきました》

子供のようにピュアに音楽で一喜一憂できる部分と、もうこの道しかない!と決めた人のようにしっかりと頭の中に見えている聞こえている音がある部分。
どちらも併せ持った稀有な才能だと思います!
KREVA
小西さんの声の吐息成分は、ヤバいです。スゴイんです。反則です。そんなんでラップされたら、そりゃもう…!いつの間にヒップホップ、モノにしちゃったんでしょうか。
参りました。
Mummy-D
(RHYMESTER)
以前舞台で共演させていただいてから、特徴的な声だなーと思ってました。
ラップに挑戦したいと当時から言っていたので、真奈美さんのEP楽しみにしてました。
ただ、ラップは韻とかありますからね、作詞した曲のラップ大丈夫かな?と思っていたんですが、リリックは韻踏みまくりだし、”なめんじゃねぇ”とか激しい言葉も飛び交います。
とてもインパクトのある作品でした。
AKLO

『I miss you』
オフィシャルインタビュー

——ついに本格的に音楽活動がスタートしますね。作詞作曲を小西さん自身が担って、KREVAさんがサウンドプロデュースするというプロジェクトですが、率直に今の小西さんにとって音楽表現はどういう位置づけですか?
小西真奈美 もちろん役者業は今後もしっかりやっていきたいと思っています。かといって、音楽活動は時間があるときにやろうという程度の感覚ではまったくないんです。もはや音楽を作ることや表現することが私の人生になくてはならないものになっている。最初は曲を作ることがとにかく楽しくて始めたんですね。でも、どんな創作でもそうですけど「楽しい」のあとに「苦しい」がやってくるじゃないですか。そのときに一度音楽はやめておこうと思ったんです。まだ誰にも求められていないのに、そこまでしてやる必要があるのかなと思ったんですね。そのときたまたまお芝居の撮影の仕事が立て込んでいて、時間もないので、出てくる音楽に対する表現欲求をアウトプットできなかった。でも、すごく衝動にかられて「作りたい!」って思っちゃったんです。
——時期的にはいつごろの話ですか?
小西 去年の秋くらいですね。自分でも「なんだ、これは!?」と思って。撮影が終わって時間ができたら真っ先に曲を作ってました。それまでの私だったら撮影が終わったら、真っ先に友人に会ったり、身体を動かしたり、映画を観ていたんですけど、いつの間にか曲を作るようになってる自分がいて。これはもう人生の一部になってると思ったし、「音楽は中毒だ」というよく聞く話を実感しましたね。
——昨年3月から4月にかけて上映された「KREVAの新しい音楽劇 最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」に出演し、初めてラップをしたことも大きなきっかけだったと思います。
小西 そうですね。その前に「曲を自分で作ってみたら?」って周りのスタッフさんからは言われていたんです。でも、私は楽器も弾けないし、絶対音感があるわけでもないので、どうやって曲を作ったらいいかわからなくて。でも、「鼻歌でメロディを作ればいいんだよ」と言われて、鼻歌で思い浮かんだメロディに歌詞を付けていたんですね。それから「最高はひとつじゃない」でラップをやらなきゃいけないことになったうえに共演者にはKREVAさんはもちろん、Mummy-D(RHYMESTER)さんはいるし、AKLOさんはいるし、その他にも私以外の方はみなさんミュージカルなどで歌の経験がある方ばかりで。役者しかやったことのない演者は私だけだったんですね。それだけに歌やラップの稽古のときは絶対に迷惑がかかるなと思って緊張して臨んだんですけど。そうしたら稽古後にKREVAさん、Dさん、AKLOさんが「すごくいいからラップや歌をやったほうがいい」と言ってくださって。その理由として「上手いラップをする人はいっぱいいるけど、それは男性でもできる。真奈美ちゃんの声やラップは自分たちには表現できないものだから」と。そこで自信をいただいたのが大きいですね。
——確かにあの舞台を観たお客さんは独立した魅力を持った小西さんのラップや歌唱に驚いた人は多いと思います。そして、5月にKREVAさんプロデュースのもと「最高はひとつじゃない」でも披露した「トランキライザー」のカバーを配信リリースしました。
小西 そのときの私は音楽用語がまったくわからない状態だったので、一生懸命自分の頭の中にある、私なりの「トランキライザー」の映像イメージをKREVAさんに伝えたんです。役者という職業柄なのか、映像でイメージが浮かぶことが多いんですね。
——それはとても重要なポイントだと思います。
小西 拙い私の映像イメージをKREVAさんやスタッフのみなさんがすごくキャッチしようとしてくださって。「じゃあこういう音で、こういうテンポかな?」って汲み取ってくださったんですね。そこで初めて曲を一緒に作るという作業をやらせてもらったんです。過去には映画の役の延長でCDをリリースさせていただいたこともあったのですが、そのときは本当に歌入れだけだったので。音楽の制作ってなんて楽しいんだろうと思いました。
——昨年6月25日には日比谷野外大音楽堂にて開催された「elements night〜Sunday night session〜」で人生初ライブを経験しましたね。
小西 野音が本当に初めてのライブだったので、ものすごく緊張しましたね。ドラムの白根(佳尚)さんと何度も練習させてもらって。ライブ後に白根さんに「大丈夫でしたか?」って訊いたら「バッチリだったし、お客さんにもしっかり届いてたね」って言われてすごく安心しました。それくらい本番では緊張しすぎて何も見えていませんでした。
——『I miss you E.P』の収録曲で最初にできたのは?
小西 1曲目の「I miss you」です。
——ミニマルなトラックに乗る色気に富んだ小西さんのポエトリーリーディングにも近いフロウのラップが乗ってますね。
小西 最初にサビが思い浮かんで。〈I miss you 甘い kiss〉って韻を踏んでるなと思ったんです。それ以前に書いていた歌詞の中に〈集中すると 宇宙が広がる〉というフレーズがあったので、「チュウ」で繋がると思って。でも、実はこの曲は完成するまでかなり難産でした。KREVAさんとのやり取りのなかで曲に入る頭の部分に思い違いがあって、KREVAさんにトラックを作り直してもらったんです。食い下がった私をKREVAさんが受け止めてくださって。この曲でラップができたことが本当にうれしかったですね。その次にできたのが「This is love」で。だから収録順は曲ができた順でもあるんです。
——「This is love」のサウンドはなかなかぶっ飛んでますね。ベースミュージックを昇華したトラップとEDMが共存しているようなトラックで。あきらかに海外を意識したサウンドでもあるなと。
小西 海外のリスナーにも届けたいですね。この曲は歌詞が先にできたんです。
——歌詞はかなり攻撃的で。特に〈えれぇメンツをなめんじゃねぇ!〉というフレーズはかなりインパクトがあります。
小西 「最高はひとつじゃない」の打ち上げにいくときにKREVAさんがDさんやAKLOさんに(所属事務所である)elementsの由来を訊かれていて。私や綿引(さやか)さんも「聞きたい!」と思って「elementsって要素という意味だから、それですよね?」って訊いたら「えれぇメンツという意味なんだよ」ってKREVAさんが教えてくれたんです。そのフレーズがすごくカッコいいなと思って、口に出してみたくなって。でも、まず日常で言う機会がないし、じゃあ歌にすればいいんだと思って(笑)。ラップを作るようになっておもしろいなと思うのは、韻を踏むために歌詞を考えると、日常では思ってもみなかったような深層心理が引っ張り出されるところで。トラックに関しては、最初はゆっくり始まっていきなりドーン!とラップを展開していくみたいなイメージをKREVAさんにお伝えして。EDMの要素を入れてほしいともリクエストしました。
——3曲目「冷たくしないで」はキャッチーなエレクトロポップで。
小西 女子っぽい歌詞ができたのでどうしようかなと思ったんですけど(笑)。でも、それを打ち込みの音で「これぞKREVAサウンド!」と思えるようなトラックを作ってほしいとリクエストして。浮かんだ映像イメージは女の子がものすごい勢いで走ってたんですよ。キュンキュンしているというよりは、好きな人に会いに行くためにエモーショナルに疾走しているという感じで。
——E.P購入者のみの特典となる4曲目「No」もKREVAさんらしい幻想的な美しさに満ちたトラックで。
小西 私はこのトラックがすごく好きで。KREVAさんが実験的に私の声をサンプリングして、鍵盤でいくつかコードを弾いてくれたんです。その中にすごく好きなコードがあって。
——低音と高音のボーカルを使い分けるセクションもいいですね。
小西 うれしいです。あそこも映像イメージから生まれたんです。女の子がポツンと一人で佇んでいる画が浮かんで。この一人ぼっちの女の子を救ってあげたいと思ったんです。その子は子どもじゃなくて、大人で。でも、童心も持っていて。大人になって社会で生きているその子の本心が低音を表現しているんです。
——最後にE.Pのリリース後のビジョンを聞かせてください。
小西 いっぱいありますけど、E.Pをリリースしたあとの反応によって、求められることをやりたいです。常に期待に応えられる自分でいたいというのが一番です。4曲の中でみなさんがどの曲を気に入ってくれるか今はまったく想像できないので。どんな反応が来ても対応できる準備をしっかりしたいですね。あとはなるべくいろんな曲を世に出して、ライブもしたいです。音楽ってすごいなと思うのは、1曲の3分や5分で本当に人生が変わったりするところで。私の音楽にもその可能性があるなら、提供できる状態にしたいですね。そして、ライブですよね。ライブは自由で生命力が感じられる場所で、すごくポジティブなヴァイブスが流れる空間なので。その場所を提供できる自分になることも今の目標です。

取材・文=三宅正一(Q2)